第17章 危険な企み
10月の始め。
最近、少し肌寒くなってきた。
ベージュのカーディガンを着たあたしは、学校から帰宅している所だ。
隣にはブレザーを着た誠也君が。
制服を緩く着ている。
学校の指定のネクタイはしていない。
「寒いね。」
フーと手に息を吹きかけながらあたしは言った。
あたしは少々寒がりだ。
「ほら。」
「あ…いいよ、いいよ。」
「いいから。」
彼がブレザーを脱いで私にかけてくれた。
「ありがとう。」
笑顔でお礼を言う。
「待てよ!!」
「貧乏人!!」
そんな時、子供達が道路に出てきた。
見た目からして、小学生だろうか。
何人かの子供が一人の男の子を追っかけている。
その男の格好は汚れていて服もボロボロ。
ランドセルもくたびれている。