第17章 危険な企み
「松下さん、今月の族共のシノギです。」
後から部屋に入ってきた、金髪で髪を後ろに整えた男が松下に封筒を差し出した。
「オゥ…コイツ片付けとけ、後…蛍光灯も取り替えとけ。チカチカうっとうしいんジャけぇの。」
松下は封筒の中身を見ながら言った。
大量のお札だ。
「はい。」
「あと…極使天馬のシノギはどうなっとる?」
チラリと威圧的な目で男を見る。
「アイツらは一切払おうとしません。」
「そうか、わかった。…夛田、ワレも野々村みてぇに働けェ。終わるまで帰ってくんじゃねーゾ?」
グイグイと夛田の頬を靴の踵で踏んでいる。
「わ…わかひまひた―――」
グシャッ――
「あぁん!?聞こえんのジャ!!ハッキリしゃべらんかいっ!!」
再び強く踏み潰した。
口から血が吹き出る。
「すび…ば…せん―――」
「まぁいい、出しとけ。」
「はい。」
夛田は野々村に引きずられて部屋の外に追い出された。
そこには血の後が出来ている。
「オゥ、林。拭いとけェ。」
「はい。」
坊主頭で小柄の男が床を拭いた。