第16章 嫉妬とイジメ
「なんで、イジメって無くならないのかな…。」
中庭のベンチに二人で座って話していた。
「さぁな。」
誠也君は興味なさそうに応えた。
煙草を足で揉み消している。
イジメは小さい時からあった。
自分は虐められた事はないが、イジメられていた人を見たことはある。
その時は、助ける事は出来なかった。
なぜなら、恐かったから。
自分もイジメられてしまうんじゃないかと思っていたから。
高校では、そんなこと無くなるって思ってた。
けど、現実は違う。
どこに行ったってイジメは無くならない。
「イジメる人って何も思わないのかな…。」
相手の気持ちとか。
「思ってたらしねーだろ。」
「そうだけど…。」
「…まだまだガキなんだよアイツ等は。」
ポンポンと彼はあたしの頭を撫でた。
「お前がイジメられた時は俺が守ってやるから。」
「……うん。」
あたしは、地面に生えている草を見つめた。