第16章 嫉妬とイジメ
「ほっとけ、わざわざお前が行って関わることねぇ。」
「でも!!助けなきゃ…――。」
再び中庭に目を向ける。
「………わかったよ。」
彼はガシガシと頭を掻いた。
「おい、ガキみてぇな事してんじゃねーよ。」
中庭。
首をボキボキ鳴らしながら、誠也君はあたしの少し前に立って言った。
松崎君達に。
「あ?」
松崎君達が一斉に彼をみる。
松崎君以外の人は怯えた顔をした。
けれど、松崎君は違った。
彼を激しく睨み付けている。
「だから、ガキみてぇなことしてんじゃねぇ。」
誠也君はポケットから煙草を取りだしくわえた。
そして、手を添えてジッポーで火をつける。
「男なら一対一で堂々とタイマンでもしろや。」
彼は、口から白煙を吐き出した。