第2章 転落
「松崎ってさぁ、絶対さくちんの事好きだよね。」
話が終わったあと、あたしたちは寝る部屋に移動した。
運良く仲の良い5人で同じ部屋になれた。
今は自由時間なので部屋でゆっくり話している。
「それ、あたしも思う。いっつもちょっかいだしてるしさ、なんかガキ臭いよねー。」
そう言いながら早苗がキャハハと笑った。
「でさくちんどうなの?」
「どうなのって?」
美奈子の問いに小首を傾げる。
「だからー、秋本先輩と松崎どっちがいいの?」
ニタニタと笑ながら麻央が聞いてくる
「もちろん、誠也君だよ。」
そんなの悩む事でもない。
あんな奴(松崎)なんで大嫌いだから。
「そっかー。まぁ、どっちも普通にしてたらイケメンだよねー。」
千加がマスカラをつけながら言った。
「言えてるー。秋本先輩は恐いし、松崎はふざけすぎだしね。」
「うんうん。」
「つかさぁ、今から6組のイケメン見に行こー。」
「行こ行こー。」
「ほら、さくちんも。」
「う…うん。」
あたしは半ば麻央に引きずられながら部屋を出た。