第2章 転落
合宿所に着くと荷物を持って班ごとに並ばされた。
1から10組までの生徒が並んでいてかなりの人数がいる。
3組のあたしは真ん中より左寄りだ。
「ふれあい合宿といっても遊びにきたわけじゃない。規律を守って生活するように。」
長々とした学年主任の話が終ると生徒代表の話がある。
「6組の佐々木 春馬(ささき はるま)。」
教師が呼ぶと6組の方で黒髪の男性が立ち上がった。
遠くからで見えないが美奈子の言っていた人に違いない。
「さくちん、顔見える?」
「見えないよ。」
「美奈の言ってた人だよね?めっちゃ気になる!!」
興奮気味に後ろで麻央が騒いでいる。
「えー、そうかなぁ。」
あたしは振り向くと小首を傾げた。
そして、また前を向こうとしたら松崎君と目があった。
『ばーか。』
言葉を発してなくても口がそう動いている事が分かる。
むかつく。
あたしは彼をキッと睨み付け前を向いた。
ムカつく
あんな奴大嫌い。
バスの中で言われた事もそうだが、最近彼に嫌がらせされることが多い気がする。
そんなにあたしが嫌いなら関わらないでほしいのに。
そう思いながらあたしは踞った