第15章 恋敵
それから、嫌がらせは続いた。
スカートが破られたり、椅子に押しピンがあったり、階段で押されたり。
でも、みんながいたから頑張れた。
「お前どうしたんだよ、それ?」
膝に絆創膏を貼ってあるあたしに、誠也君が尋ねた。
「階段で転んじゃった。」
あたしは笑顔で応える。
「それに…服――」
彼はカーディガンの下の破れた長袖のブラウスを見た。
「…気付いたら破れてた。」
また、笑顔で応えた。
「誰にやられた!?応えろ!!」
「………。」
彼があたしを揺さぶる。
あたしは、彼から顔を背けた。
「なぁ…。」
「わかんない…。でも、」
もう疲れた。
本当は辛かった。
でも、そんなの誰にも言えない。
迷惑かけたくない。
涙が自然と溢れてきた。
そして、彼の胸の中で泣いた。