第15章 恋敵
「なに…これ。」
次の日。
あたしは教室に入って呆然とした。
「おはー、さくちん。」
「おう、ブス。なにしてんだよ?」
千加達や松崎君達が呆然と立ち尽くしているあたしに近寄ってくる。
そして、あるものを見た。
「なにこれ?」
「何だよこれ?」
皆の声が重なった。
そして、走った。
黒板に。
「誰がこんなん書いたん!?」
「出てこいよ、ぶっ殺すぞ!!」
皆が一生懸命消してくれている。
そして、いつもの四人はある所に向かった。
「源川!!あんたでしょ!!」
美奈子が源川さんの机を叩いた。
「はぁ?何の事?」
源川さんは肘をついて美奈子を見た。
「あんた以外誰がいんのよ!!」
麻央が叫ぶ。
「証拠…あんの?」
挑発的に彼女は見た。
「さくちんが松崎と仲いいのが気にくわないくせに!!」
早苗が睨み付けた。
「だから?」
「あんた、むかつくんだよ!!」
千加が手を上げた。
「やめて!!…もういいよ。」
あたしは叫んだ。
"朝日 桜は秋本 誠也と松崎 竜樹と同時に付き合ってる二股女死ね!!"
黒板にそう書かれていた。