第15章 恋敵
「ねぇねぇ、松崎君。」
それから、彼女は積極的に松崎君に近付くようになった。
初めは彼は相手にしていなかったがその内仲良くなっていた。
だから、あたしと彼の間には距離が出来た。
でも、あたしはこれでいいと思ってる。
彼にも幸せになってほしいから。
「なんかさー、最近源川の奴松崎にベッタリじゃない?」
昼休み。
弁当をつつきながら言った。
あたしの友達は彼女の事が嫌いらしい。
「いいの、さくちん?」
皆があたしを見る。
「なにが?」
あたしは意味がわからないと首を傾げた。
「松崎とられちゃうよ?いいの?」
皆が迫ってくる。
「んー…いいんじゃないかなぁ。」
あたしはあっけらかんと応えた。
「ダメだこりゃ、松崎可哀想。」
皆がため息をついた。