第15章 恋敵
体育祭は一組と二組が青。
三組と四組が黄。
五組と六組が赤。
七組と八組が緑。
九組と十組が白だ。
だから、三組のあたしと六組の誠也君が一緒になることはない。
敵なのだ。
今日は一年、二年、三年の黄色ブロックがグランドで集まっている。
学年事に並ばされてる背のあまり高くないあたしは後ろの方だ。
「ねーねー、桜ちゃん。松崎君と付き合ってるの?」
後ろに並んでいる源川 莉那(みなかわ りな)ちゃんが話かけてきた。
彼女は少々噂好きで、お喋りな所がある。
だから、あまり女子から好かれていない。
「え?なんで?」
「仲良いから。」
源川さんはニッコリと笑った。
「付き合ってないよ、あたし彼氏いるし。」
「ふーん、じゃあさ邪魔しないでね。」
「え?」
「あたし、松崎君が好きなの。」
そう言って彼女はまた笑った。
なんだか、威圧感を感じる。
邪魔するなと。