第14章 復讐と鬼神
「うるせぇ!!…じゃあどうしたら愛してくれんだよ…お前は。」
垂れる髪で顔を隠しながら言った。
「あたしは…愛せない。誠也君を愛してるから。でも…あなたが誰を愛するかは自由だと思う。」
震える足で先輩に近付いた。
「ごめん…、……愛してる。」
先輩はそう言ってあたしを抱き締めた。
そして、ゆっくり離した。
「…たまに…会いにいってもいい?」
俯きながら先輩は問う。
「いいよ。」
あたしは、一瞬誠也君の顔を見て笑顔で応えた。
なんだかふらふらしてきた。
「おい!!」
それからどうなったのかは覚えていない。