第14章 復讐と鬼神
「人の大事な女に手出して、暴力奮って…お前ホントにクソだな。いや…クソ以下だ。」
彼は白石先輩の髪を掴んだ。
「男っつうもんは女を守るもんだろ?ましてや惚れた女に手上げてんじゃねぇ!!」
バコッ――
彼は先輩の腹を殴った。
「は…なせ、クソ野郎!!」
先輩は彼の股を蹴った。
「痛くねぇ…、桜はこの何倍も痛かったんだよ。」
バキッ―――
「あがっ―――」
髪の毛を離すと、頭部に回し蹴りを喰らわす。
「すげぇ恐かったんだ…この気持ちが分かるか?」
ゆっくりと近付いていく。
瞳孔の開いた目がとらえる。
「しるかよ……女は男の言いなりになりゃーいいんだよ。それがしあわせだろ?」
口から出る血を拭き取りながら先輩は立ち上がる。
「違う!!」
あたしは叫んだ。
「そんなの違う。……あなた、可哀想。…愛されてないんだね。」
そして、真剣な目で先輩を見た。