第13章 悪夢
それから、あたしはちょくちょく白石先輩と連絡をとっていた。
嫌がらせはなくならなかったが、なんとか頑張れた。
「白石?」
「うん、すごくやさしくしてくれるの。」
あたしは、誠也君に彼女の事を話した。
「へぇ…。」
「でね、すごい美人なんだけど左上半身と腕に火傷の後あるんだって。可哀想だよね。」
だから彼女はいつも長袖を着ていた。
「白石…火傷…。」
彼の顔が険しくなる。
「どうしたの?」
「……あのさ…。」
「何?」
「もう、そいつには近づくな。」
真剣な眼差しで彼があたしを見た。
「なん―――」
「いいから!!近づくな!!」
彼はあたしの肩を掴んで叫んだ。
彼の目が恐かった。
「なんでそんなこと言うの!?誠也君なんか大嫌い!!」
あたしは走って逃げた。