第13章 悪夢
「落ち着いた、桜ちゃん?」
彼女はあたしの顔を見て言った。
「え?どうして名前―――」
「だって有名だもん。」
そう言って、彼女はあたしを離した。
「あたし、白石 雪(しらいし ゆき)。三年なんだ。」
あ…先輩なんだ。
あたしは涙を拭った。
「あっそうだ。良かったら番号交換しない?相談のってあげるから。」
白石先輩は携帯を出すと綺麗な笑顔で笑った。
「あっ、はい。」
あたしも携帯を取り出した。
教室へ戻ると皆が心配してくれていた。
机のなかは松崎君が片付けてくれたらしい。
あたしがお礼を言うと照れくさそうに別にと言った。