第13章 悪夢
「…別れよう。」
あたしは溢れそうになる涙を堪えながら彼を見た。
「意味わかんねぇこというなよ…。」
彼が辛そうに見ている。
「だって…このままじゃ、誠也君が殺されちゃうよ!!」
あたしは叫んだ。
我慢していたものが一気に溢れ出す。
がんばろうて決めたのに…。
「俺は…」
「……。」
「俺は死なねぇ!!なにがあってもお前を残して死なねぇから…だから……別れるなんて言うな!!」
彼は激しくあたしを抱き締めた。
「愛してるから。……お前がいねぇとだめなんだ…俺は。」
「……うん。」
「あとさ………本当の事を言えよ、俺に嘘なんかつくな。」
「………うん。」
「……こっち向いて。」
「え?」
「…大丈夫だから安心しろ、俺が守ってやるから。」
彼はあたしの額に口付けた。