第13章 悪夢
「あっあぶない!!」
ふと顔を顔を上げるとあたしは走った。
あるものが目にはいった。
「…ん?」
彼が止まって振り向く。
止まらないで。
だって、あなたの頭の上には―――
ドンッ―――
パリン―――
「はぁはぁはぁ……間に合った。」
「…え?」
近くに散らばるのは、無惨に散った花たちと、土と、植木鉢の破片。
戸惑ってる彼の上に覆い被さるあたしは上を見た。
……誰もいない。
「あ…ごっごめん。」
あたしは慌てて彼の上から下りた。
「いや…別に――。」
彼は頭を掻きながら起き上がった。
まただ。
また、あたしの知らない誰かが彼を狙ってる。
「お前…大丈夫か?」
彼が心配そうに手を差し出してきた。
「ダメッ!!」
あたしは彼の手を振り払って進行方向とは逆に走りだした。
一緒にいちゃダメなんだ。
一緒にいたら彼に危害が及ぶ。
「桜!!」
彼も追いかけてきた。
「まて!!」
すぐに追いつかれて腕を捕まれた。
「どうしたんだよ!!」
彼が叫んだ。