第13章 悪夢
「………。」
歩いてる最中、彼がファミレスに寄ろうと言った。
テーブルに座り、彼はハンバーグセットを、あたしはナポリタンを頼んだ。
料理を待っている間も、料理が運ばれた後も会話はなかった。
黙々と彼は食事をしている。
あたしはフォークを持ってボーとしている。
「……俺…なんか、悪いこと―――」
ブーブー
彼がなにかいいかけた時、鞄に入れてた携帯がなり始めた。
「あっ、ごめん…。」
あたしは彼に謝ると電話に出た。
ザーザー
波の音のような機械音が聞こえてくる。
「もしもし…誰?」
あたしは電話の相手に尋ねた。
"なんで…ご飯食べない?"
低い掠れた声が聞こえてきた。
「………っ!!」
慌てて通話を切った。
呼吸が乱れる。
なによりも恐怖を感じた。
「…どうした?」
真剣な顔で目の前の彼が見てくる。
「……なんでもないよ、間違え電話だった。」
また、あたしは笑顔を作った。
「…………。」
バンっ――――――
彼は急に立ち上がり伝票を持ってあたしの手を掴んだ。
「せ…誠也君?」
あたしは慌てて鞄を持つ。
彼はそのままレジでお金を払うと外へ出た。