第12章 手
「桜…。」
よろけながら血だらけの彼が立っている。
「…楽しいか?」
嬉しそうに笑っている。
「…そっか。」
彼が傾き出した。
「愛し…て…る。」
ドサッ―――
彼は携帯と共に落ちた。
「誠也!!」
極使天馬の皆が駆け寄る。
「おい!!救急車!!」
「病院につれていくぞ!!」
皆が騒いでいる。
「桜ちゃん!!俺だけど…」
藤崎先輩が彼の携帯を取った。
「落ち着いて聞いて!!誠也が……刺された。今から市立病院に連れていくから来て!!」
先輩はそこまで言うと電話を切った。
そして、誠也君は運ばれていく。
赤いランプの光る救急車が到着した。