• テキストサイズ

レッテル 1

第11章 夜空の花




「この間はありがとなぁ…。」

多くの兵隊達が倒れている中、誠也君は呟いた。
生き残った兵隊達が彼と中村を見つめている。

「そのまま年少に送られりゃあよかったのによ…でてきやがったか。」

ボキボキと中村は首を鳴らした。

「しっかりとお礼してやんよ。」

誠也君もボキボキと腕を鳴らした。
二人とも血だらけだ。

「拓!!」

突然誠也君が叫んだ

「桜が一生懸命治してくれたやつだ。汚したくねぇ、持っててくれ。」

彼はそういうと特攻服上を脱ぎ、投げた。

「おう。」

藤崎先輩が受け取る。

「何カッコつけてんだテメェ、女にでも溺れたか?」

不気味な笑みを浮かべながら誠也君を見下ろしている。
中村の方が幾分背が高い。

「そんなんじゃねぇよ。」

「まぁ、いい。おい――」

「うっス!!」

中村も近くにいた仲間の兵隊に特攻服の上を脱いで渡した。
鍛えられた肉体が露になる。

「かかって来いや!!」

「上等だぁ!!」

二人は拳を上げた。



/ 1026ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp