第11章 夜空の花
ドンッ――――
「あ、すいません。」
人でごった返す人混みの中誰かにぶつかった。
「……朝日?」
聞き覚えのある声がした。
「なんであんた達がここにいるのよ!!」
麻央の声がした。
「別にいたっていいだろうがよ!!」
山中君が叫んでいる。
「おいおいおい、夫婦喧嘩かよ。」
呆れたように松崎君が言った。
「違う!!」
二人の声が重なった。
なんだかんだ言って、最近この二人は仲良い気がする。
「山中君、多分麻央が好きなんだよ。」
美奈子があたしに耳打ちした。
確かに、そんな気がする。
なにかと、山中君は麻央によくちょっかい出しているから。
それってなんだか誰かに似てる。
あたしはチラッと松崎君を見た。
「なんだよ?ブス。」
松崎君は頭を掻いた。
「しかたねぇから一緒にまわってやんよ!!」
「ガキはお断り!!」
麻央が山中君に叫ぶ。
山中君も素直になればいいのに。
あたしはクスリと笑った。
「いいじゃん、いいじゃん。人数多い方が楽しいしまわろ。」
美奈子が言った。
さすが美奈子。
て言うか、早苗達…他のクラスの3人と仲良くなってるし。
「しかたねーから、俺もまわってやる。」
再び松崎君は頭を掻いた。
あっ、一緒だ。
再びクスリと笑った。