第11章 夜空の花
「…これで綺麗になった。」
唇を離しながら彼が言った。
「そうじゃなくても、お前は綺麗だ。」
真剣な眼差しであたしを見ている。
「……誠也君。」
あたしも彼を見た。
「……桜。」
再び引き寄せられる。
あと少しで…―――
バンッ
「誠也ちゃん、チーッス。」
「飲もうぜー。」
突然ドアが開くと幹部の人がぞろぞろと入ってきた。
「あ!!スケベな事やってる!!」
三善先輩があたし達を指差して言った。
「誠也、ヘンターイ。」
幹部の皆が笑った。
「テメェ等…勝手に入ってくんじゃねー!!」
彼の叫び声が響いた。