第10章 嘘と助っ人
「……っ…っ…。」
あたしは泣きながら警察署の長椅子に座っていた。
ぬぐってもぬぐっても涙が溢れてくる。
恐かった。
男の人のモノをくわえさせられて、何度も吐き気がした。
もう死にたい。
生きていたくない。
「大丈夫だよ、もう大丈夫だから。」
藤崎先輩が何度も背中をさすってくれた。
「しっかし、あいつもホントにクソだな。」
三善先輩が口を開いた。
「ロリコンが。」
竹井先輩が呟く。
「お、誠也。」
大川先輩が手を上げた。
「桜!!」
「………。」
「ばか!!あんなあぶねぇ事すんじゃねぇよ!!俺なんかの為に―――――。」
「触らないでっ!!」
揺さぶる彼の手を振り払った
触らないで
あたし、汚い。
「あたし……もう汚れちゃった。」
俯きながら呟く。
「汚くなんか―――。」
「汚いよ!!」
あたしは顔を上げた。
「くわえさせられた…何度も…、でも誠也君の為に頑張ろうと…思って…頑張ったのに―――。」
拭っても拭っても涙が溢れてくる。みんなの顔が霞んでいく。
お願いもう1人にして。
かまわないで。