第10章 嘘と助っ人
「ゆっ…許してくれ!!なんでもするから!!」
橋田は汚い顔をさらに汚くしながら土下座した。
「だってよ、秋本どうする?」
望田先輩は後ろを見た。
「………。」
誠也君が中に入ってくる。
あたしは涙で霞む目を開けながら彼を見た。
彼もチラッとこちらを見た。
「どうすんだ?」
「全殺し…だけじゃすまさねぇ…。」
ボキボキと腕を鳴らした。
「桜ちゃん、おいで。」
後から入ってきた藤崎先輩があたしを抱き抱えた。
あたしが部屋を出るとカチャリとドアが閉められた。
「いてぇぇえええ!!」
中から悲鳴が聞こえてきた。