第10章 嘘と助っ人
「おまえは汚くなんかねぇ!!」
警察署に彼の声が響く。
周りの視線が一気に彼に注ぐ。
「誰がなんと言おうと俺は汚ねぇとは思わねぇ!!でも―――」
「誠也君…。」
「もう二度とあんな真似すんな!!」
彼はあたしを激しく抱き締めた。
あたしの宙を切るても彼を抱き締めた。
「いやいやいや、ラブラブのとこわりぃんだけど…、俺等めっちゃ恥ずかしいんだけど。」
頭を掻きながら望田さんが言った。
「あ…。」
あたしと誠也君はとっさ離れる。
でも手は繋がっている。
「つーか、あのハゲデブどうする?」
南雲さんがさっきの部屋を指差しながら言った。
「捨てとけ。どーせサツもクビだろ。」
興味無さそうに望田さんは言った。
「つか、飯食いに行こーや」
皆で警察署を出た。