第10章 嘘と助っ人
カチャリ―――
あまり使われていない資料室。
部屋のドアが閉められた。
本当は恐い。
すごく。
でも少しの間我慢すれば彼が助かる。
そう思えば頑張れた。
「はやくしろ。」
ベルトを外しながら橋田が言った。
「……っ。」
あたしは首を横に振りたい衝動にかられたが必死で耐えた。
すべては彼のため。
「ほら、早く。あいつを助けて欲しいんだろ〜?」
にやにやと汚ならしく笑っている。
「…わかりました。」
あたしは言われた通りにした。
吐き気がする。
何度も吐きそうになったが耐えた。
彼を想像して。