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レッテル 1

第10章 嘘と助っ人




身体を犠牲にすれば彼を助ける事ができる。
あたしは迷っていた。
彼を助けたい。
助けたい。

あたしは彼の手錠を見て彼を見た。

"大丈夫だよ"

あたしは声を出さずに口を動かした。

「お前…―――。」

彼は目を見開いた。

「……わかりました。あたしが言うこと聞くかわりに彼を助けてくれるんですね?」

「考えてやらんこともない。」

不気味な笑いを浮かべている橋田をしっかりと見た

「やめろ!!

彼が叫ぶ。

「ダメだって!!そいつのいいなりになるな!!」

藤崎先輩達が叫んでいる。

「さっさと、その交渉とやらを済ませましょうか。」

「そうだな。後は頼んだ。

「は…はいっ。」

橋田は部下に誠也君を頼むと、あたしの肩に手を置いた。
そして、歩き出す。

「桜!!やめろ!!」

後ろから彼の声や先輩達の声が聞こえたが、聞こえないフリをした。
決意が揺らいでしまうから




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