第10章 嘘と助っ人
「あのクソ野郎ならありえるな。」
「アイツはきたねぇことでも平気でするからな。」
皆納得したように頷いた。
カチャ―――
その時、近くの部屋のドアが開いた。
「さっさと歩け。」
声がした。
刑事が部屋から出てくる。
「誠也君!!」
その後ろから手錠をかけられた彼が出てきた。
お腹にはロープが巻かれている。
「桜…。」
彼は少し窶れていた。
寝ていないのか目の下に隈がある。
「橋田!!テメェ来たねぇぞ!!」
一番前を歩いていた男に三善先輩が叫んだ。
「汚い?なんのことだ。俺は正当な取り調べをおこなったまでだ。もっとも、こいつが全て自供してくれたがな。」
橋田は薄ら笑いを浮かべた。
「桜ちゃんを使って脅したんだろうがよ!!」
「………っ…。」
三善先輩の言葉に誠也君の肩がピクリと動いた。
間違いない。
藤崎先輩の言った通りだ