第10章 嘘と助っ人
「おぅ、拓。」
「タケ、もう出たか?」
「いや、まだ。」
長椅子に座る竹井先輩が首をふった。
三善先輩も大川先輩もいる。
「クソッ、望田さん達でもどうにもなんねぇのかよ!!」
三善先輩が椅子を蹴った。
「俺等も手尽くしたけどよ…どうにもなんねぇ。アイツが自白なんかしなければ…。」
悔しそうに竹井先輩は拳を握った。
「なにやってんだよ、誠也の奴!!」
「………。」
皆が騒いでる中、藤崎先輩は黙っていた
「……もしかしてあいつ…弱味握られたんじゃねぇか?」
藤崎先輩が重たい口を開いた。
「どういうことだよ?」
三善先輩が意味わからないといったような顔をした。
「これは俺の予想だが、橋田の奴…桜ちゃんに何かするとでも言ったんじゃないか?」
「え…。」
あたしは驚いた。
警察がそんなことするだろうか。