第1章 彼氏
「ばかぁ!!」
「うぉっ!!」
あと少しのところであたしは棗を突き飛ばした。
ベットから棗は落ちそうになる。
「油断した!!あんた昔っからそうなんだから!!すぐ女に手出すとこ変わってない!!」
赤くなる頬を隠すように手で扇いだ。
「チッ、…たく知恵つけやがって。体だけ成長したかと思ったら頭も成長してたか。」
「なによ!!その言い方!!さっさと出てけ!!」
「へいへい。CDだけ借りてくわ。」
棗はそう言うとCDラックに置いてあったCDを取ると部屋をでていった。
「…たく、女好きなんだから!!」
変わってないそういうとこ。
昔から。
でも、誠也君も棗みたいだったら…
女に調子よくて
誰でも見境なく…
絶対いや!!
他の女に触れるなんて嫌!!
やっぱり今の誠也君が一番好き。
でも、あたしが今日怒らせちゃったんだ。
棗言うとおりだとしたら
やっぱりあたしのせいだ。
あやまりたい…
そう思うと無意識に携帯を取り出していた。