第10章 嘘と助っ人
「…ところで、その子だれ?」
望田さんがあたしを指差す。
「誠也の女ッス。」
「ふーん。」
元幹部の四人は、あたしの頭から足まで見た。
「あの…朝日 桜です。」
あたしは頭を下げた。
「……合格!!」
望田さんは親指を上げた。
「こっちおいで。」
南雲さんが手招きしてくる。
「手だしたら誠也がキレますよ…。」
西村先輩が恐る恐る言った。
「出さねぇよ。……たぶん。」
「えぇーーー!!」
南雲さんの言葉に幹部の人達が間抜けな声を出す。
「いいから、おいで。」
「………はい。」
あたしは南雲さんと望田さんの間にちょこんと座る。
周りの人が大きいせいであたしが小さく見える。