第10章 嘘と助っ人
「はぁぁああ!?秋本が捕まっただぁ!?しかも、自白しただと!?」
望田さんの声が辺りに響く。
「バカか、あいつは!!」
「いてぇ!!」
石田さんが山岡さんの足を叩いた。
「んで、俺達にどうしろと?」
南雲さんが煙草の火をつけながら言った。
「……岩中興業の連中に話をつけてもらいたいんです。」
「藤崎ぃ…どういう事だ?」
望田さんの眼光が突き刺さる。
「あいつ等は、暴力じゃ落ちる奴等じゃないんです、昔と違って。現にこの間抗争になり、誠也が1人で打ちのめしました。が、そのあと薬物で族を潰しにかかりました。」
「なんだと。」
「まだ、小さい芽だったので取り除く事が出来ましたが…今回は違います。サツと手を組みました。それに白麗魂の奴等も一杯組んでいるんです。だから…俺等じゃどうにも――。」
そこまで言うと藤崎先輩は拳を握った。
「……話は分かった。できる事ならしてやる。…てアイツなら言うだろうな。だが――。」
望田さんの言葉に幹部の5人はゴクリと息を飲んだ。
「……なーんてな、まかせとけ!!」
親指を上げて望田さんは笑った。
「仲間を大事にしろってアキなら言うだろうしな。」
「だなぁ。」
「しっかし、岩中も懲りねぇな。」
「松下っつう糞野郎だろ。」
「サツはあいつだろうな。」
「橋田、昔っからクソだからな。」
元幹部達で盛り上がっている。
見た目とちがって以外といい人だ。