第9章 冤罪
「誠也がそんなことするわけねーだろ!!」
「ちゃんと調べたんかよ!?」
幹部の人達が叫んでいる。
「その町でこいつを見たものがいる。ま、もっともお前等グズ共の話を聞く者はいないがな。」
薄ら笑いを浮かべながら男が言った。
「んだと、テメェ!!」
三善先輩が殴りかかる。
「やめろ!!」
それを藤崎先輩が止めた。
「俺等が手出したらこいつの思うつぼだ。」
「でも―――。」
「ま、いずれお前達も捕まえてやる。首を洗って待ってろ。」
そういって男は家を出た。
「誠也君っ!!」
あたしは裸足で家を出た。
「俺、なにもしてねぇっ!!」
「大人しくしろっ!!」
パトカーに乗せられる彼が必死に抵抗している。
「桜、俺本当に何もしてねぇから――。」
ドアがしまると彼は連れていかれた。
「誠也君!!」
あたしはその場に泣き崩れた。
ポツン――
ポツン――
ザアァァ―――
空から雨が振りだした。