第9章 冤罪
「拓、桜ちゃんに手だすと誠也に殺されるぞー。」
西村先輩が笑いながら言った。
「分かってるって、出さねぇよ。」
頭を掻きながら藤崎先輩は床へ座る。
「あれー?誠也ちゃんヤキモチ?」
三善先輩が冷やかした。
「っせぇ、ちげーよ!!」
誠也君は煙草を灰皿で揉み消すと、不貞腐れたようにソファーでねた。
「あーあ、怒った。」
「翔のせいだぞ。」
「えー?俺?ちげーだろ、拓がわりぃんだろ。」
皆あーだこーだ言っている。
そして、ゴニョゴニョ言ったかと思うと、不気味な笑みであたしを見た。
「なっ…なんですか?」
「ちょっと来て。」
手招きされた