第9章 冤罪
「…クズが。」
誠也君は呟くとバイクを止めた。
「降りて桜目瞑ってろ。」
「わかった。」
あたしは、言われた通り降りて目を閉じた。
「買う気になったかぁ?」
男が薄ら笑いを浮かべている。
「…テメェ等それでも族か?」
「はぁ?」
「テメェのチームの名前を簡単にうるんじゃねぇ!!」
バイクを降りた誠也君は、男達を激しく睨み付けた。
「赤い髪に…額の傷…日章カラーの族車。テメェ…もしかして"極使天馬の秋本 誠也"!?」
1人の男が怯えたように言った。
「なに!?」
「マジかよ!!」
「だったら…なんだっていうんだ?」
「ひっひぃぃいい!!」
唸るように誠也君が言うと、転がるように男達は逃げていった。