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レッテル 1

第9章 冤罪




ブォンブォンブォン―――

「誠也君…ちょっと速いよ。」

平日の昼間。
バイクを走らせる彼の後ろにあたしは股がっている。

「あぁ、わりぃ。」

スピードメーターの針が下がる。
今日、彼がどこかへ連れていってくれると言った。
はじめは海と言ったが、人混みを好まない彼は別の提案をした。

「バイクで、ツーリングとか楽しいね。」

「ごめんな、お前…海行きたいとか言ってたのに――。」

「ううん、全然いいよ。誠也君と一緒にいれるならどこでもいい。」

あたしは彼に身を寄せた。
バタバタと青の細いストライプの入ったシャツが暴れている。
今日は、住んでる町から少し離れた町に来た。
あたし達が住んでる所より少し田舎だが、建物は結構ある。
それよりも、先程から道行く人々の視線を浴びる。
ガソリンタンクに日章カラーのペイント。
三段シートに最強の文字。
それが、何よりも"族"であることを意味する。

「どっかよるか?」

「うぅん、このままでいい。」

それらにたいしてはちょっと恥ずかしさを感じるが、彼を独り占めに出来ていることが嬉しくてしかたない。
ちょっと、幼稚かな?


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