第9章 冤罪
「ど…ど…どうした!?」
彼が慌てている。
「あーあ、誠也ちゃんが泣かしたー。」
「バカッ!!」
「いてぇ!!何でっ!!」
三善先輩が大川先輩に殴られた。
「な…なんか、安心したら涙が出てきちゃって――。」
出てきた涙を拭う。
「そっか、ごめんな。」
誠也君はあたしの頭を撫でた。
「帰るぞ。」
藤崎先輩が言った。
「おう。」
「帰るかー。」
「えっなんで!?」
「バカッ!!空気読め!!」
大川先輩が三善先輩を引きずる。
結局皆帰って行った。
二人だけになる。
「暗いしあぶねぇから家まで送ってく。」
彼はあたしの手を握った。