第9章 冤罪
「誠也君!!」
警察署の前であたしは叫んだ。
今日、あたしの彼は補導された。
理由は、男に暴行をくわえたということだ。
「桜…来てたんか。」
彼はちょっと驚いたように言った。
「おーい、俺等も忘れんな。」
西村先輩が手を振っている。
幹部の人達も来ていた。
「おぅ、お前等。」
「大変だったな。」
藤崎先輩が頭を掻いた。
「まぁな。」
「つか、誠也が暴行とかねーだろ。」
「そうそう、サツも仕事しろってんだよ。」
「言えてる。」
皆が笑っていた。
でも、あたしは笑えない。
すごく心配したのに…。
涙が溢れてきた。