第8章 裏切り者
「大丈夫か?」
「うん。」
誠也君が手を貸してくれた。
「間に合ってよかった。」
ほっとしたように彼はあたしの肩に手を置いた。
「あの…ごめ……。」
「あー!!イケメンさん!!」
突然誰かが叫んだ。
麻央だ。
藤崎先輩に近寄る。
「え?」
藤崎先輩が戸惑っている。
「あっこっちもイケメン!!」
三善先輩を見た。
「あ…。」
その人は…。
「君可愛いね、突っ込ませて。」
「へ?」
三善先輩が麻央の顎を掴んだ。
「バカッ!!」
「いてぇ!!」
大川先輩が三善先輩の頭を殴った。
「あの…。」
千加が大川先輩の前にたった。
「……なに?」
「名前なんて言うんですか?」
「大川 治男だけど…なんかようか?」
彼はつるつるの頭をかいた。
「あの!!めっちゃタイプです!!好きです!!けー番教えてください!!」
目をキラキラと輝かせながら千加言った。
「なっなにぃぃぃい!?」
皆が叫んだ。