第8章 裏切り者
ガシャン―――
「きゃあぁぁああ!!」
壁の向こうから凄い音が聞こえてきた。
硝子が割れる音や悲鳴も。
「なんだ!?」
宮元君が振り向く。
「ご…極使天馬だー!!」
遠くで男が叫んだ。
「やべぇ!!」
黒髪の男が言った。
けれど足音達が迫ってくる。
「逃げるぞ!!」
ベルトをはめながら宮元君が言った。
パリン―――
でも遅かった。
ドアの硝子が勢いよく割れる。
そして、開いた。
「よう……。」
銀色に光る刀を持ち、特攻服を着た誠也君が煙草の煙を吐きながら睨み付けた。
「テメェ等覚悟はできてんだろうな!!」
三善先輩が叫ぶ。
幹部の人も来ているらしい。
「ち…違うんです総長!!こいつらがどうしてもって言うから…。」
宮元君は私を指差した。