第8章 裏切り者
また、嘘をついてしまった。
一週間後。
「さくちん、こっちー。」
クラブの前で千加が手を振っている。
「ごめん…遅くなって…。」
あたしは息をきらしながら言った。
「何この子めっちゃ可愛いんだけど!!」
金髪の男の人が言った。
「誠治(せいじ)君、ダメダメその子に手出しちゃあ。」
「なんで?」
「だって、その子の彼氏"極使天馬"の総長の秋本 誠也さんだもん。」
「えー!!マジで!?」
誠治と呼ばれた人は驚いた。
「あっ、どっかで見たことあると思ったらこの間の集会の時おったな。」
茶髪の短髪の人が何かを思いだしたらしい。
「マジかよ、総長の女ー?」
「手だせねーよ。」
カラフルな髪の男の人達が騒いでいる。
「まー良いじゃん、いこいこー。」
美奈子が中へ入って行った。
それに続いて皆入っていく。
「ねぇ、ちーちゃん。あの人達って…。」
「極使天馬の人達だよ。」
あたしは血の気が引くのを感じた。