第8章 裏切り者
「…あたし…トイレ行ってくる。」
逃げるように部屋を出た。
「はぁ…。」
トイレを済ませると、洗面所の鏡の前で溜め息をついた。
裸を見られるなんて…。
しかも、誠也君以外の人に。
最悪だ。
あたしは頭を抱えた。
「どうしたん?」
後ろから声がした。
顔をあげると、鏡に紫の髪が写っている。
三善先輩だ。
あたしは振り向いた。
「いえ…何も。」
「ふーん。つか、良い身体してる。顔も上物だし、突っ込みたくなる。」
「え?」
先輩の言ってる意味が分からない。
「だから俺のビッグマグナムスティックち―――。」
「言わせるかっ!!」
バキッ―――
「いてぇ!!」
誠也君のチョップが、三善先輩の頭部にあたる。
三善先輩は頭を押さえた。
「油断した、お前が歩く生殖器だって事忘れてた。」
首を鳴らしながら誠也君が言った。
「俺はただ、(ピー(自主規制))を突っ込みたかっただけだ!!」
真剣に三善先輩は言っている。
なんだこの人…
変態だ。
「てめぇ…。」
誠也君がボキボキと腕を鳴らしている。
目が恐い。
「バカ!!たく、目はなした隙に…なにやってんだテメェは!!」
大川先輩が三善先輩の後ろ襟を掴んだ。
「ナニって、…だから、ち――。」
「だから、言わせるかっ!!」
「いてぇ!!」
再び、誠也君のチョップが炸裂した。