第8章 裏切り者
「……んぅ。」
翌朝、目を覚ますと彼の顔が目の前にあった。
閉じられた目。
少し高い鼻。
薄く開けられた口から寝息が聞こえる。
あたしは恥ずかしくなってベットを出ようとした。
「……桜…。」
けれど、彼の腕に阻止された。
ギュッと抱きしめられる。
それは別にいい。
ていうか…
当たってる!!
あたしはこの時自分が裸だった事に気付いた。
というか彼も裸。
「好き。」
耳元で言われた。
いや、それは嬉しいんですけど…
服きたい!!
あたしはモゴモゴともがいた。
バンッ
「誠也君、おっはよーん。」
「来たぞ、来たぞー。」
突然、部屋の扉が開いた。
ぞろぞろと極使天馬の幹部の人が入ってくる。
「…んあ?なんだよテメー等。」
誠也君は起き上がった。
「おまっ…何で裸なん!?」
西村さんが驚いて目を見開いている。
「ヤった!?ヤったんだろお前!!」
藤崎さんが笑っている。
「うわぁ、誠也君不純!!不潔よぉ!!」
三善さんが女口調で騒いでいる
「うるせぇ!!」
誠也君は慌てて服を着た。
「つーか、誠也が裸って事は………。」
皆が一斉にタオルケットにくるまってるあたしを見た。
足が出ている。
「生足…。」
誰かが呟いた。
パサッ―――
思わずタオルケットを離してしまった。
「!!」
誰もが目を見開いた。
「っ!!きゃあぁぁああ!!」
あたしの悲鳴が響き渡った。