第8章 裏切り者
「なんかあったんスか?」
ヘアバンドで金髪の髪をとめている磐梯という人が言った。
「お前…ぜってぇ言わねぇって約束するか?」
誠也君の鋭い眼光が磐梯さんに突き刺さる。
「…はい。」
彼はゴクリと息を飲んだ。
「実は…俺達の中に薬を使ってる者が出た。」
「え…?」
「だからお前にそいつを探って欲しい。」
「それって…。」
「犯人探しだ。」
藤崎先輩が言った。
「裏切りもんは半殺し程度じゃすまさねぇ。俺達はそんな甘かねぇ。」
ドスの効いた声で三善先輩は呟いた。
「俺達ぁお前を信用している。……やってくれるな?」
「はい!!」
善田さんは力強く叫んだ。