第1章 彼氏
「はぁぁあああ!?やってないぃい??」
四人の声が教室中に響いた。
何事かと皆が此方を見ている。
「しー!!声大きいってば!!」
慌ててあたしは言った。
「あの先輩が手を出さないなんてありえねー。」
ミートボールを頬張りながら早苗が言った。
「ヤりまくってそうなのに…つかあんた処女!?」
千加が驚いた顔であたしをみた。
「うん…、きっとあたし魅力ないから…。」
だから先輩はあたしに触れようとはしないんだ。
「は?あんた何いってんの?学校であんた狙ってる奴沢山いるんだよ?」
そう言いながら、千加は半分お弁当をたべ終えたところで弁当箱を片付けた。
ダイエット中らしい。
「え?ありえないよ。それに誠也君…手も握ってくれないし…。」
思い出すと泣きそうになる。
あたし愛されてないのかなって。
「ちーちゃん、あたし…誠也君に嫌われてるのかな?」
きっとそうだ。
食べたご飯がしょっぱく感じた。