第1章 彼氏
「昨日さぁ、まー君と久々に会ったわけ。したらさ、いきなり押したおされるわ、突っ込まれるわで大変だったんだから。」
昼休み。
弁当をつつきながら麻央が言った。
「きゃはは、マジぃ?」
「マジマジ。おかげで朝腰がめっちゃ痛かったぁ。美奈んとこはどーなの?」
「あー、うちのは下手くそだからパス。」
「マジかー。早苗は?」
「あたしのとこは、たまに会ってヤりまくるくらいかなぁ。」
「へぇ…。」
あたしの周りで話が盛り上がっていく。
が、昨日の出来事のせいで頭に入らない。
「さくちんは?」
「へ?」
急にふられたので間抜けな声を出してしまう。
「毎日一緒に帰ってるぐらいだしやりまくりでしょ?」
「あの先輩の事だから手早そうだし、激しそう。」
「え?」
「どんな感じ?」
四人が興味津々に近付いてくる。
誠也君とあたしがヤる?
ちょっと想像しただけで顔が真っ赤になった。