第7章 タイマン
「誠也君!!」
彼を必死に探した。
一階も、二階も、三階も、四階も。
彼の教室も行った。
「秋本…さん?居ないよ。」
男の先輩から怯え気味に言われた。
「どこに行ったの?どこにいるの?」
他の校舎を走りながら辺りを見渡す。
いない。
いないいないいない。
そうだ…携帯!!
あたしは、携帯を取り出し彼にかけた。
プルルルル…
プルルルル…
けれど出ない。
諦めて携帯をなおし、ふと外を見た。
「あ…。」
校門の方で微かに見える赤い髪。
とぼとぼと歩いてる人がいる。
きっと彼だ。
あたしは、走った。