第7章 タイマン
「おま…ゴホッ…お前か…わる…いんじゃねぇ。」
苦しそうに松崎君は口を開いた。
「俺…な…なに…されて…も…ハアハア…お前が好きだ。」
「うるせぇ!!こそこそ人の女に手出しやがって!!」
誠也君の拳が再び上がった。
「誠也!!」
そんな時、後ろから声がした。
あたしはすぐに振り向く。
「間に合わなかったか!!」
そこには藤崎先輩と西村先輩がいた。
「誠也やめろ!!」
二人は誠也君を掴んだ。
「放せ!!」
誠也君が吠える。
「お前…惚れた女の前で暴力振るうんかよ!!上田さんの言ったこと忘れたんかよ!!」
「………。」
ドサッ――
「ゲホッゲホッ……。」
藤崎さんの言葉で彼は松崎君を放した。
「…わりぃ。」
そして、彼はそう言うと一人で歩いて行った。
あたしは誠也君と松崎君を交互に見る。
「ここは俺達がするから誠也のとこに行ってやって。アイツには君が必要なんだよ。」
「はいっ。」
あたしは藤崎さんにそう返事すると彼を追いかけた。