第7章 タイマン
「何がおかしいんだよテメェ。」
「べつに。」
先輩は冷静に応えた。
「さぁ、行こうか。」
そして、再びあたしの手を掴んだ。
「ふざけんな!!」
松崎君は先輩に殴りかかろうとした…が、先輩は軽くかわし彼を投げ飛ばした。
片手で。
「いてぇ!!」
「あっ!!」
顔面から落ちた彼は鼻から血が出ていた。
あたしは彼に近づこうとした。
「来んな!!」
彼は叫んだ。
あ……。
そういうとこあの人にそっくりだ
あたしはそう思った。
「そんなんじゃ俺には勝てねぇよ。…誠也にはもっとな。」
先輩は彼を見た。
恐い。
先輩の怖さを始めてしった。
「行こう。」
「でも。」
「いいから。」
先輩は力強くあたしの手を引っ張った。