第1章 彼氏
「……え?」
翌朝、目覚めると見馴れない天井が目に入った。
あれ?
ここどこ?
慌てて起き上がると、ソファーに眠る彼の姿が。
「あ…。」
そうだ…あたしお酒飲んで寝ちゃったんだ。
それを思い出すと急に恥ずかしくなった。
「ん……。」
彼が目を覚ました。
眠気眼に頭を掻きながらこちらを見ている。
「お……おはよ。」
ハニカミながらあたしが言うと、
「……はよ。」
彼は消え入りそうな声で言った。
それに目を合わせようとしてくれない。
「あ…あたし……何か…。」
「してねぇよっ!!俺…何もしてねぇから!!」
あたしが訪ねようとすると、何時もの誠也君からは想像出来ないような声で叫び慌てて上着を羽織た。
「う、うん…。」
「送ってく。」
彼はバイクの鍵を手に取った。