第7章 タイマン
「次、足乗って。」
腕立て伏せを終えた彼は、仰向けになり足を曲げた。
「分かった。」
あたしは足首の上に股がった。
そして、彼は腹筋を始めた。
「……っ…っ…。」
彼の規則正しい息使いが聞こえてくる。
なんだかドキドキした。
「ちょっと…待て。やっぱり、降りろ。」
何十回か同じ動作を繰り返した時、彼は急に動きを止めた。
「何で?…あたし、やっぱり重かった?」
「ちげぇよ。」
「じゃあ…なんで?」
「なんつーか……。」
彼はあたしの方をチラリと見て目をそらした。
ほのかに頬が赤いかがする?
「どうしたの?」
四つん這いになりながら彼に近付く。
「お前…誘ってんのか?」
ぼそりと呟いた。
「え?何?聞こえないよ?」
下から覗き込む。
「……お前がわりぃんだからな。」
彼はそう言うとあたしにキスをした。